外国人エンジニア採用ならIT JOBs in Japanへ
JOBs Japan

IT JOBs in Japan » 代表者コラム » 技術者派遣(SES)と受託開発(SIer)の違いとメリット・デメリットを解説

技術者派遣(SES)と受託開発(SIer)の違いとメリット・デメリットを解説

2024年10月13日 公開

執筆・監修:村元康太郎
JOBs Japan株式会社 代表。大手ソフトウェア開発企業の営業・マーケティング部門にて4年間従事した後、日本語オンラインスクールやIT JOBs in Japanを創業。
1000人以上の外国人に対して日本語学習サポートや、世界15カ国出身・100人以上のIT・機械・電気エンジニアの転職支援など豊富な実績を持つ。

日本のIT業界で働く外国人エンジニアにとって、技術者派遣(SES)と受託開発(SIer)という2つの働き方は大きな違いがあります。どちらを選ぶべきかは、エンジニアとしての個々のキャリア目標やワークスタイルの希望に左右されるため、しっかりと違いを理解することが重要です。本記事では、技術者派遣と受託開発の違いと、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

技術者派遣(SES)とは?

技術者派遣の概要

技術者派遣(SES:System Engineering Service)は、エンジニアが派遣元の企業に所属しながら、クライアント企業のプロジェクト毎にアサインされる働き方になります。SESでは、エンジニアがクライアント先に常駐し、クライアント企業の指示に従って業務を遂行します。エンジニアの役割はクライアントのシステム開発や運用サポート、メンテナンス業務など多岐に渡ります。

SESの特徴

SESの主な特徴として、以下の点が挙げられます。

  • プロジェクトベースの働き方:プロジェクトが終了すれば次の派遣先が決まり、エンジニアはさまざまなプロジェクトに参加する機会があります。
  • 多様な業界経験:クライアント企業はさまざまな業界に属しており、エンジニアは異なる業界でのシステム開発に関わることができ、幅広い経験が積むことができます。
  • クライアント主導の業務:クライアント先での指示に基づいて作業を進めるため、自分でプロジェクトの管理をする機会が少ないことが多い。

受託開発(SIer)とは?

受託開発の概要

受託開発(SIer:System Integrator)は、クライアント企業から依頼を受けて、システムの設計、開発、運用まで一貫して請け負う形態です。SIer企業に所属するエンジニアは、自社内またはクライアント企業との密な連携のもと、プロジェクトを進行していきます。受託開発では、特定のクライアントの要件に基づいてプロジェクトが進むため、より深い技術的知識や提案力が求められることが多いです。

SIerの特徴

受託開発の特徴は以下の通りです。

  • プロジェクト全体を管理:受託開発では、企画段階からリリース、運用までの全工程に関わることができ、プロジェクト管理スキルも求められる。
  • クライアントとの長期的な関係:クライアントのニーズを理解し、長期間にわたり継続的なサポートを行うことが多いため、信頼関係が構築されやすい。
  • 自社での作業が中心:基本的に自社内での作業が多く、チームとして協力してプロジェクトを進めることが一般的。

技術者派遣(SES)のメリット・デメリット

SESのメリット

  • 多様な経験が積める
    SESの最大の利点は、さまざまな業界やプロジェクトで経験を積むことができる点です。新しい技術や異なる業界のシステムに触れる機会が多く、キャリアアップを目指すエンジニアにとっては大きなメリットです。
  • フレキシビリティが高い
    短期間で次々と新しいプロジェクトに関わることができるため、同じ仕事に飽きることなく、新しい挑戦を求めることができます。様々な技術やツールに対応できる能力が身につきやすいです。
  • 高い需要
    日本のIT業界ではSESの需要が高く、多くの企業がプロジェクトごとに専門技術を持つエンジニアを求めています。外国人エンジニアにとっても、技術力があれば容易に職を見つけやすい環境です。

SESのデメリット

  • プロジェクトの不安定性
    プロジェクトが終了すれば次の派遣先が決まるまで待機となる可能性があります。待機期間中は給料が減る、あるいは収入がない場合もあり、収入が安定しないことがデメリットです。
  • キャリア形成が難しい
    多くのプロジェクトに関わる一方で、特定の分野に深く関わる機会が少ないため、専門性を磨くことが難しい場合があります。また、プロジェクト全体を管理する立場になりにくいため、マネジメントスキルがなかなか身につきません。
  • 労働環境のコントロールが難しい
    SESはクライアントのオフィスで働くことが多いため、自分で労働環境をコントロールすることが難しい場合があります。クライアントのルールや慣習に従う必要があるため、自由度が低くなることもあります。

受託開発(SIer)のメリット・デメリット

SIerのメリット

  • 深い専門知識を得られる
    受託開発では、特定のシステムや技術に関して深く掘り下げることができ、エンジニアとしての専門性を高めるチャンスがあります。特に大規模プロジェクトでは、長期にわたり同じシステムに関わるため、技術的な成長が期待できます。
  • プロジェクトマネジメントの経験
    SIerでは、プロジェクト全体を管理し、クライアントと連携しながら進行させる役割を担うことが多いため、マネジメントスキルが向上します。将来的にプロジェクトマネージャーを目指すエンジニアには非常に有利です。
  • 安定した労働環境
    受託開発は自社での作業が中心で、長期的なプロジェクトが多いため、労働環境が安定していることが特徴です。スケジュール管理もしやすく、ワークライフバランスを保ちやすいです。

SIerのデメリット

  • プロジェクトの範囲が限定的
    SIerでは特定のクライアントやプロジェクトに集中するため、多様な経験を積む機会が少なくなる可能性があります。新しい技術やツールに触れる機会が限られ、業界全体の動向に遅れを取るリスクもあります。
  • 高い責任感とストレス
    プロジェクト全体を管理する立場になることが多く、進行の遅れや不具合が発生した際にはエンジニアに大きな責任がのしかかります。クライアントからのプレッシャーも強いため、ストレスが溜まりやすい環境です。
  • 柔軟性の欠如
    受託開発では、長期プロジェクトが多く、一度携わると他のプロジェクトに移る機会が限られます。短期間で多くの経験を積みたいエンジニアにとっては、柔軟性が低く、退屈に感じることがあるかもしれません。

どちらを選ぶべきか?

技術者派遣(SES)と受託開発(SIer)のどちらを選ぶべきかは、エンジニアのキャリアの方向性や、どのような働き方を望んでいるかによって異なります。それぞれに異なる魅力と課題があるため、以下のポイントを参考に、自分に最適な働き方を考えてみましょう。

幅広い経験を積みたいならSES

技術者派遣(SES)は、短期間で様々なプロジェクトに関わることができるため、幅広い業界や技術に触れることができます。新しい技術やトレンドを追い求めるエンジニアや、異なる業界で多様な経験を積みたいと考えている人に向いています。

特に、キャリアの初期段階であれば、SESでの経験は自己のスキルセットを広げるために有益です。新しい技術への対応力や、短期間での問題解決力を養うことができるので、キャリアアップを目指す上でも良い選択肢となります。

一方で、プロジェクトが終わるたびに次の派遣先を探す必要があり、収入が不安定になりがちです。SESでの働き方は、キャリアを始めたばかりのエンジニアや、柔軟性を重視し、新しい技術に挑戦したい人に特に向いていると言えます。

安定した環境でスキルを磨きたいならSIer

一方、受託開発(SIer)は、安定したプロジェクトに長期的に携わり、特定の技術や分野に深くコミットすることが求められます。安定した収入とワークライフバランスを重視する人や、特定分野での専門性を高めたいエンジニアにとっては理想的な環境です。

特に、プロジェクトマネジメントやリーダーシップを学びたい場合、SIerでの経験は大いに役立ちます。クライアントとの長期的な信頼関係を築くスキルや、チームをまとめてプロジェクトを進行させる能力を得ることができるでしょう。

しかし、技術の進化が早いIT業界では、長期的なプロジェクトに携わることで新しい技術に触れる機会が減る可能性がある点に留意が必要です。専門分野に特化して技術力を深めたい場合はSIerが適していますが、新しい技術や業界の変化に敏感であり続けるためには、自己学習が欠かせません。

外国人エンジニアにとっての課題とチャンス

言語と文化の壁

外国人エンジニアにとって、日本のIT業界で働く上での最大の課題は、言語と文化の違いです。技術者派遣(SES)では、クライアント先での業務が多く、日本語でのコミュニケーションが日常的に求められるため、語学力が一定以上必要となります。また、クライアントの業務スタイルや文化に合わせる柔軟性も重要です。

受託開発(SIer)では、チーム内でのコミュニケーションやクライアントとの打ち合わせが必要となるため、ここでも日本語能力は重要なスキルです。特にプロジェクトマネージャーとしての役割を担う場合、クライアントに対して適切な提案や調整を行う能力が求められるため、言語面でのハードルは高くなります。

オンライン日本語研修の活用

こうした言語の壁を克服するために、外国人エンジニアはオンラインでの日本語研修を活用することが有効です。特にビジネス日本語や技術的な日本語を学ぶことができるプログラムに参加することで、業務でのコミュニケーションスキルを向上させることができます。

技術者派遣(SES)のエンジニアは、異なるクライアント先での業務に柔軟に対応するために、クライアントごとの文化やルールに迅速に適応できるコミュニケーションスキルが求められます。一方、受託開発(SIer)のエンジニアは、プロジェクトを円滑に進めるために、チーム内外でのコミュニケーション能力が重要です。オンライン研修を活用することで、これらのスキルを強化し、キャリアの幅を広げることが可能です。

まとめ

技術者派遣(SES)と受託開発(SIer)は、日本のIT業界における主要な働き方であり、それぞれ異なるキャリアパスと可能性を提供しています。外国人ITエンジニアが日本でどちらの働き方を選ぶかは、個々のキャリア目標やライフスタイルによって異なります。

SESは、様々なプロジェクトや業界で多くの経験を積みたいエンジニアに向いており、新しい技術に挑戦する場が多くあります。一方で、SIerは安定した環境でスキルを深め、プロジェクト全体を管理する経験を得たいエンジニアに適しています。

どちらを選んでも、日本のIT業界には多くのチャンスが存在します。自分の目指すキャリアを明確にし、それに最適な選択をすることで、充実したエンジニアライフを築くことができるでしょう。

こちらの求人サイトに、外国籍のIT・機械・電気設計エンジニアを積極的に採用している仕事をご紹介しています。日本でのキャリアアップを考えている方は、ぜひご相談ください。▶︎ https://nihongo-engineer.com/

採用のご相談・1分で簡単入力!

御社のカルチャーにフィットする 日本語堪能x即戦力の人材をご提案

    貴社名 *

    ご担当者名 *

    メールアドレス *

    電話番号

    ご質問や
    ご相談内容
    (任意)




    お気軽にお問い合わせください