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ベトナムオフショア開発の体制を再構築したい
2025年03月01日 公開
近年、多くのシステム開発会社がベトナムをオフショア開発の拠点として活用しています。しかし、オフショア開発を上手に活用していくことは、オフショア開発先の適切な管理体制の構築とベトナム人の開発チームとの円滑なコミュニケーションが不可欠です。現在の運用方法を見直し、より効率的な体制を構築することで、開発のよりスムーズな進行と品質の向上、開発コストの削減が期待できます。
本記事では、特にブリッジSEの役割の拡張と日本とベトナムのチームの連携強化に焦点を当て、ベトナムオフショア開発の最適化について解説します。
ブリッジSEの役割を拡張し、より主体的に動かせる体制に
現在、多くのオフショア開発プロジェクトでは、日本側のPM(プロジェクトマネージャー)がすべての管理を担っている傾向が多い状況です。しかし、この体制では以下のような問題(課題)が発生しやすくなります。
- 日本側のPMの負担が大きく、開発全体のスピードが落ちる
- ベトナムの開発チームの自立性が低く、指示待ちの状態になりがち
- ブリッジSEが単なる通訳・翻訳の役割に留まり、開発進行の主体者になれない
この課題を解決するために、ブリッジSEの役割を拡張し、開発管理の一部を担わせる体制の構築が必要になります。まず最初に取り組むこととしてブリッジSEを単なる仲介役ではなく、開発進行を統括するプロジェクトマネージャーの補佐役(PMOが近いイメージです)とすることが大事です。
具体的には開発スケジュール管理や進捗報告、課題管理を部分的に担当し、日本側PMと連携しながら、開発タスクの優先順位を整理する役割を担います。また、ベトナムチームに対するフィードバックを積極的に行い、迅速な修正対応を促すコミュニケーションもおこないます。
特にブリッジSEがベトナムチームの開発管理を分担することが大事です。日本側PMがすべてを指示するのではなく、ブリッジSEがベトナムチームのリーダーとして機能し、日々の開発管理を行います。これにより、日本側の負担を軽減しつつ、開発スピードの向上が期待できます。
また、ブリッジSE側にはPMスキル拡充の教育強化も必要になります。ブリッジSEがプロジェクト管理の一部を担えるよう、PMスキルや品質管理の教育を実施します。
例えば、以下のようなスキル習得が必要になります。
- 日本の開発プロセスや品質基準についての研修
- アジャイル開発やスクラムの実践トレーニング
- 問題解決能力を高めるためのケーススタディ
日本とベトナムのチームをより密接に連携させる
オフショア開発では、日本とベトナムのチーム間の認識のズレが品質や納期の遅延につながることが少なくありません。特に、以下のような問題が実際の開発の現場では見られることがあります。
- 日本の開発プロセスや品質基準が十分に共有されていない
- コミュニケーションの不足により、誤解が生じやすい
- 開発方針のズレが発生し、修正に時間がかかる
上記のような問題を防ぐためにはまず体制の改善策が必要になります。
具体的な施策としてブリッジSEを通じた教育・指導の強化が大事になります。
ベトナムの開発チームに対し、日本企業の開発プロセスや品質基準をより深く理解させるため、ブリッジSEを通じた継続的な教育を行います。具体的には以下になります。
- コードレビューや設計レビューの基準を明確にし、定期的に指導を行う
- 品質管理ツールを活用し、日本側の品質基準をリアルタイムで反映
- ドキュメント管理の統一化を図り、仕様の齟齬を減らす
また、日本側エンジニアの定期的な派遣も大切です。ブリッジSEの教育だけではなく、日本側のエンジニアを定期的にベトナムへ派遣し、直接的な指導や技術交流を促進します。
- 週単位・月単位でエンジニアを派遣し、現地での開発プロセスを確認
- 直接的なコミュニケーションを通じて、文化や業務の理解を深める
- ベトナム側の技術的な課題に迅速に対応し、スムーズな開発進行をサポート
まとめ
本文で述べてきたようにベトナムオフショア開発の体制を再構築するためには、ブリッジSEの役割拡張と、日本とベトナムのチーム連携の強化が重要です。ポイントを整理すると以下になります。
- ブリッジSEをプロジェクトマネージャー的な立場に置き、開発管理を一部担わせることで、開発スピードを向上させる。
- ベトナムチームへの教育と、日本側エンジニアの派遣を強化することで、品質基準の理解を深め、開発のズレを防ぐ。
- リモートツールを活用し、リアルタイムなコミュニケーションを強化することで、物理的な距離を感じさせない体制を作る。
これらの施策を実施することで、オフショア開発の課題を克服し、よりスムーズで効果的な開発体制を構築できるでしょう。弊社ではブリッジエンジニアのご紹介実績が多数ございますので、もしオフショア開発での課題解決や、開発導入をご検討の方がいらっしゃいましたら気軽にお問い合わせをいただけますと幸いです。
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