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「AIアバター×外国籍エンジニアの自己分析・面接トレーニング」マッチング精度の向上を目指す
2025年05月01日 公開
こんにちは。JOBs Japanの村元です。
今日は、私たちが4月から着手した新しい取り組みについて、少しお話ししたいと思います。
〜キャリアを言語化し、一次面接通過率を高める〜ことを目的とした
「AIアバター×外国籍エンジニアのための自己分析・面接トレーニング」というプロジェクトです。
外国籍エンジニアにとって、日本語での自己表現はとても大きな壁です。 「自分のキャリアや強みをうまく説明できない」「面接で聞かれても答えが曖昧になる」そんな課題を解決するために、私たちはAIアバターを活用した面接トレーニングプログラム開発に着手しました。
AIアバターによるリアルな面接体験
本プログラムでは、ビジネスカジュアル姿のAIアバターが面接官として登場。リアルな対話を通じて、緊張感のある模擬面接を実現します。 AIは受講者の回答内容に応じて、深掘りや話題の広げ方を調整しながら、まるで人事面接官のような切り返しを行います。
3つの主な目的
1. 自己理解の深化
自己分析を通じて、自分のキャリアの軸や価値観を明確にします。
2. 面接力の向上
本番に近い環境で繰り返し練習することで、自信を持って話せるようになります。
3. 日本語会話力の強化
実践的な日本語表現の修正やアドバイスを通して、自然で伝わりやすい会話力を養います。
面接って、技術力だけじゃない
長年、外国籍エンジニアの方々の就職・転職支援に携わってきましたが、 面接の場で「すごく惜しい…!」と感じることが本当に多いんです。
技術力は申し分ない。でも、
・転職理由が抽象的すぎる
・志望動機がうまく伝えられない
・強みやキャリアの軸を日本語で語るのが難しい
これは、本人のやる気や実力不足ではなく、「言語化する力」と「自己理解の深さ」の壁だと感じています。
じゃあ、それをどうやって乗り越えるか?
「本番さながらの模擬面接を、いつでも気軽にできたらどうか?」
「AIが受講者の回答に対して、深掘りしたり広げたりしてくれたら?」
「リアルなアバターが、緊張感ある“面接っぽさ”を演出してくれたら?」
そんなアイデアを持ち寄って、今、私たちはプロトタイプの開発を進めているところです。
とはいえ、まだまだ課題は山積みです。
AIの質問ロジック、ユーザーの発話に対する自然な応答、アバターとの連動…
やってみて初めて見えてくる壁ばかりです。
でも、それでもやりたい。
なぜなら、この仕組みがうまく機能すれば、外国籍エンジニアの可能性が一気に広がると信じているからです。
プログラムの機能とフィードバック体制
🔹 テキスト化
受講者が話した内容を自動でテキスト化。AIの質問はテキスト化せず、質問を「聞く力」を養う訓練も重視しています。自分の発話を可視化し、後から振り返ることができる。
🔹 フィードバックの2種類
1. 日本語表現の修正(例:「誤:もとほしです → 正:もっと欲しいです」)
2. 人事目線のコーチング的アドバイス (たとえば、抽象的な回答に対するさらなる深掘りの質問や、ネガティブ印象を回避し、ポジティブな伝え方にする言い換え)
🔹 録画機能
トレーニングの様子は録画され、本人と弊社コンサルタントが確認。必要に応じて個別フォローや改善アドバイスを行います。
将来的には企業側にも選考の一環として利用できる仕組みも検討
ご利用方法
・Webアプリケーション上で提供(PCのみ対応)
・スマホアプリではなく、本番面接を想定してPCからの受講を推奨しています。
こうした仕組みが整えば、面接を受ける本人にとっても、 採用する企業にとっても、“マッチングの精度”がぐっと上がるはずです。
最後に
正直なところ、AIとの対話精度や表情の自然さ、使いやすさなど、
クリアすべきハードルはたくさんあります。
でも、私たちは完璧なものを最初から作ろうとは思っていません。
まずは試して、失敗して、フィードバックをもらいながら、改善していく。
受講者と企業、両方の声を聞きながら、より良い形に育てていくつもりです。
プロトタイプができたら、ぜひ試してほしいですし、意見をもらえると嬉しい
です。
外国籍エンジニアが、自信を持って“自分の言葉”でキャリアを語れるように。
採用企業が、技術だけでなく“人となり”を正しく理解できるように。
AIやテクノロジーを活用して、この橋渡しができたら、最高の成果だと思っています。
まだスタートラインに立ったばかりですが、応援よろしくお願いします!
フィードバック例とそのポイント
◆ これまでの経験サマリーについて教えてください
→ 端的に、かつポイントを押さえて話せるかが重要。話が長くならないよう注意。
◆ 転職理由について教えてください
→ 「自己成長したい」「新しい環境でチャレンジしたい」という抽象的な回答では不十分。
なぜそう思うのか?何を通じて成長したいのか?(例:上流工程、言語習得、マネジメント経験など)を具体的に伝えることが求められます。
◆ 志望動機について教えてください
→ 企業への理解を前提に、自分のスキル・経験がどう役立つか、その企業で働くことが自分にとってどうプラスかまで話せるとベスト。
◆ 強みと弱みを教えてください
→ 自分のパーソナリティに関わる質問。論理的かつ等身大で答えることが大切です。
◆ エンジニアとしての軸は何ですか?
→ 明確な「正解」はありません。自分が何に価値を感じ、どう働きたいかを言語化するための問いです。