IT JOBs in Japan » 代表者コラム » 英語求人票の書き方とテンプレート完全ガイド|NG例・改善例で“伝わる英語”に変える方法
英語求人票の書き方とテンプレート完全ガイド|NG例・改善例で“伝わる英語”に変える方法

2025年10月14日 公開
国内のエンジニア採用が厳しくなる中、海外人材へのアプローチを検討する企業が増えています。
ただ、いざ英語求人票を作ろうとすると
「翻訳しても不自然」
「どんな書き方が正解かわからない」
と悩む人事担当者も多いはずです。
本記事では、英語求人票の基本構成から、ありがちなNG例・改善例、そしてそのまま使えるテンプレートまでを紹介します。
“翻訳ではなく、伝わる英語”で求人を作るコツを押さえれば、海外の優秀なエンジニアにも自社の魅力をしっかり届けられます。
目次
英語求人票が必要とされる理由

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 国内人材だけでは採用が難しくなっている
- 英語求人票は「翻訳」ではなく「発信ツール」
海外人材の採用を検討する企業が増える中、なぜ「英語求人票」が重要なのかを理解することが採用成功の第一歩です。
この章では、英語求人票が求められる背景と、単なる翻訳ではなく“会社の魅力を伝えるツール”としての役割について説明していきます。
国内人材だけでは採用が難しくなっている
近年、ITエンジニアの採用競争は激化しています。
「求人を出しても応募が来ない」
「入社しても定着しない」
と悩む企業が増え、海外からの採用を検討するケースが急増中です。
特にプログラマー、データエンジニア、UI/UXデザイナーなどの職種は、海外でも高いスキルを持つ人材が多く、英語で求人を出すことで採用の母集団を一気に広げられます。
英語求人票は「翻訳」ではなく「発信ツール」
英語求人票は単なる「日本語の英訳」ではありません。
それは、海外のエンジニアにとっての“会社の顔”です。
語彙や文法の正しさ以上に、
「どんな文化の会社か」
「どんな働き方ができるのか」
を直感的に伝えることが重要です。
不自然な直訳よりも、読みやすく・魅力が伝わるトーンで書くことを意識しましょう。
英語求人票の基本構成と書き方

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 英語求人票の基本セクション
- 各項目の書き方と注意点
英語求人票を作成するうえで、まず押さえておきたいのが「構成」と「書き方」の基本です。
どんなに内容が良くても、順序や表現が不自然だと候補者に伝わりません。
この章では、海外の求人サイトでも通用する英語求人票の基本構成と、各項目を効果的に書くためのポイントについて説明していきます。
英語求人票の基本セクション
一般的な英語求人票は、以下のような構成で作られます。
海外の求人サイトでも、この順序が最も読みやすいとされています。
- Job Title(職種名)
- Location(勤務地)
- Employment Type(雇用形態)
- About Us(会社紹介)
- Responsibilities(業務内容)
- Requirements(応募要件)
- Benefits(福利厚生)
- How to Apply(応募方法)
各項目の書き方と注意点
- Job Title(職種名)
✕「System Engineer」
→✅具体的なスキルを入れて「Software Engineer (Backend)」などに。
直訳よりも検索にヒットしやすい表現が好まれます。
- Responsibilities(業務内容)
長文で説明するよりも、箇条書きで3〜6項目が理想。
「You will be responsible for…」で始めると自然です。 - Requirements(応募要件)
Must/Preferredを分けて書くのがポイント。
例)Must:3+ years of Java development experience.
Preferred:Experience with cloud environments (AWS, GCP). - Benefits(福利厚生)
「社会保険完備」「通勤手当」など日本特有の表現は避け、
“Full social security coverage”や“Transportation allowance provided”など、海外の候補者が理解できる形にします。 - Company Overview(会社紹介)
“Mission-driven”や“Global clients”など、短い中にも前向きな印象を残す言葉を意識しましょう。
NG例と改善例で学ぶ「伝わる求人票」

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- NG例①:直訳で不自然な英語
- NG例②:日本特有の表現をそのまま使う
- NG例③:トーンが硬すぎて魅力が伝わらない
どんなに丁寧に翻訳しても、
「英語として不自然」
「海外の候補者に響かない」
そんな求人票は意外と多いものです。
この章では、ありがちなNG例をもとに、どのように言い換えればより自然で魅力的な表現になるのかを具体的に説明していきます。
NG例①:直訳で不自然な英語
✕ “We are looking for a person who can communicate smoothly with customers.”
✅ “We’re looking for a software engineer with strong communication skills and customer focus.”
→ 「スムーズにコミュニケーションできる」という直訳は曖昧。
英語では“strong communication skills”のようにスキルとして表す方が自然です。
NG例②:日本特有の表現をそのまま使う
✕ “We have social insurance.”
✅ “We offer full social security coverage including health and pension plans.”
→ “Social insurance”は直訳では伝わりにくく、
実際にどんな補償があるのかを具体的に書くのがポイントです。
NG例③:トーンが硬すぎて魅力が伝わらない
✕ “We are a company that does system development.”
✅ “We’re a growing IT company developing innovative solutions for global clients.”
→ “does system development”は機械的で冷たい印象。
海外では“growing”や“innovative”など、ポジティブな語を加えると企業の印象が格段に良くなります。
すぐ使える!英語求人票テンプレート(日本企業向け)

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- テンプレート(コピペOK)
- テンプレートのカスタマイズ例
英語求人票を一から作るのは大変ですが、基本構成さえ押さえれば誰でも自然な形に仕上げられます。
この章では、すぐ使える英語求人票テンプレートと、自社の特性に合わせて使えるカスタマイズ例について説明していきます。
テンプレート(コピペOK)
Job Title
Software Engineer (Backend)
Location
Tokyo, Japan / Remote available
Employment Type
Full-time
About Us
We are a growing IT company providing software solutions to clients in Japan and abroad. Our team values open communication, diversity, and innovation.
Responsibilities
- Develop and maintain backend systems using Java and Spring Boot
- Collaborate with frontend and QA teams
- Participate in code reviews and technical discussions
Requirements
- 3+ years of backend development experience
- Business-level English communication skills
- Bachelor’s degree in Computer Science or related field
Preferred
- Experience with AWS or GCP
- Japanese language skills (N3 or above)
Benefits
- Full social security coverage
- Transportation allowance
- Remote work and flexible hours available
- Visa sponsorship support
How to Apply
Send your resume (in English) and GitHub profile to [email address].
テンプレートのカスタマイズ例
- 自社開発企業向け:「Join our product team to build services used by thousands of users in Japan.」
- 受託開発企業向け:「Work on diverse projects for domestic and global clients.」
- スタートアップ向け:「Be part of an agile team shaping the next generation of software.」
👉 英語求人では、“何をする会社か”より“どんな挑戦ができるか”を意識して表現するのがポイントです。
採用効果を高めるための3つのコツ

この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- タイトルはシンプルかつ検索されやすく
- 福利厚生・働き方を明確に
- 自社の魅力を1文で伝える
英語求人票を作るだけでは、優秀な海外人材に出会うことはできません。
応募率を上げるためには、“見られる・選ばれる求人票”に仕上げる工夫が欠かせません。
この章では、採用効果を高めるためにすぐ実践できる3つのコツについて説明していきます。
① タイトルはシンプルかつ検索されやすく
求人媒体では「Software Engineer」「Frontend Developer」など、検索キーワードを意識することで応募率が変わります。
「Engineer」「System Developer」だけでは広すぎるため、職種+分野を組み合わせて具体化しましょう。
② 福利厚生・働き方を明確に
海外の求職者は「働き方」を重視します。
“Remote work available”や“Visa sponsorship provided”など、採用ハードルを下げる一文を加えるだけでも印象が変わります。
③ 自社の魅力を1文で伝える
たとえば:
“Join a global team building innovative solutions in Tokyo.”
このように、「何をするか+どんな環境か」を1文で伝えると、海外人材の心に響きます。
まとめ|“伝わる英語”で採用の幅を広げよう

英語求人票は、単なる書類ではなく“企業のメッセージ”です。
直訳ではなく、相手が「自分のキャリアをここで描けそう」と感じる表現を意識すれば、応募数も採用の質も変わります。
まずは今回のテンプレをもとに、自社向けに調整してみてください。
英語での求人発信は、グローバル採用の第一歩です。


