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ベトナム人エンジニアの給与・人月単価|オフショア開発と日本での採用時で解説

2024年04月05日 公開

執筆・監修:村元康太郎
JOBs Japan株式会社 代表。大手ソフトウェア開発企業の営業・マーケティング部門にて4年間従事した後、日本語オンラインスクールやIT JOBs in Japanを創業。
1000人以上の外国人に対して日本語学習サポートや、世界15カ国出身・100人以上のITエンジニアの転職支援など豊富な実績を持つ。

近年、ベトナムはオフショア開発先として非常に人気があります。

その理由としては、「優秀な工科大学が多く存在するためハイスキルなITエンジニアが豊富であること」「真面目で勤勉な性格」「地理的に近く時差も少ないためコミュニケーションが取りやすい」そして「人月単価が安い」などが挙げられます。

また、ベトナム人ITエンジニアは日本企業が外国人ITエンジニアを採用する際にも人気があります。

その理由としては、ベトナムのオフショア開発が人気な理由に加え「国全体の平均年齢が若く若手人材が確保できる」「日本企業にも馴染みやすい傾向がある」などが理由として挙げられます。

本記事では、ベトナム人ITエンジニアの給与について、

  • ベトナム国内におけるエンジニアの給与
  • オフショア開発として依頼する場合の人月単価
  • 日本で採用する際のベトナム人エンジニアの給与相場

これら3つのケースでそれぞれ解説してきます。

なお、ベトナム人エンジニアの特徴や採用方法については以下の記事でご紹介しています。合わせてチェックしてみてください。

ベトナム国内でのエンジニア給与相場

Salary Explorerが発表した調査によると、2024年時点でのベトナム国内におけるエンジニアの平均年収は約107万円(175,000,000ベトナムドン)です。

ただ、これはあくまで平均です。スキルレベル別にもう少し詳しく見ると、以下のようになっています。

  • まだスキルが低いジュニアエンジニア: 年収約34万円(55,300,000ベトナムドン)
  • 平均的なスキルのエンジニア: 約107万円(175,000,000ベトナムドン)
  • ハイスキルなシニアエンジニア: 年収約225万円(369,000,000ベトナムドン)

IT関連の職位の65%以上が、月額600ドルから1,500ドルの給与範囲にあります。

つまり、ベトナムのエンジニアの大多数が比較的安定した中間層の給与レベルにあることが分かります。

高額給与を得るエンジニアは少数であり、エントリーレベルのポジションはこの範囲の下限に近い給与が設定される傾向があります。

一方、dodaが2023年12月に発表した調査によると日本のITエンジニアの平均年収は約450万円程度とされています。

ベトナムのITエンジニアの平均給料は日本のITエンジニアの約25%にあたり、日本のITエンジニアの平均給料はベトナムのITエンジニアの約4倍となります。

このデータから、日本とベトナムのITエンジニアの給与水準にはまだ大きな差が存在することが分かります。ただベトナムの経済成長に伴い、その差は徐々に縮まってきているとは言えるでしょう。

参考:https://www.salaryexplorer.com/average-salary-wage-comparison-vietnam-engineering-c236f22

参考:https://doda.jp/engineer/guide/it/003.html

エンジニアの持つ技術によって給与は大きく変わる

上述したベトナム国内におけるエンジニアの給与はあくまで平均です。

技術やスキルによって、ベトナム人エンジニアの年収は大きく異なります。

例えば、"Vietnam IT Market Report 2023"によると、Google Cloud Platformのスキルを持つエンジニアの平均単価は1820米ドルでトップに位置しています。

その他、Scalaが1700米ドル、AWSが1611米ドル、Rubyが1590米ドル、Golangが1582米ドルと続きます。これらのデータから、特定の技術を持つエンジニアが高い単価を得ていることが分かります。

もう少し俯瞰して、技術別の給与傾向をまとめると以下のようになります。

技術分野エントリーレベル(月額)中級レベル(月額)シニアレベル(月額)
フロントエンド開発$500 - $1,000$1,000 - $2,000$2,000 - $3,000以上
バックエンド開発$600 - $1,200$1,200 - $2,500$2,500 - $4,000以上
フルスタック開発$700 - $1,300$1,300 - $2,800$2,800 - $4,500以上
モバイル開発$500 - $1,000$1,000 - $2,200$2,200 - $3,500以上
データサイエンス/機械学習$800 - $1,500$1,500 - $3,000$3,000 - $5,000以上
クラウド/DevOps$700 - $1,400$1,400 - $2,800$2,800 - $5,000以上

こうしてみると、クラウド、AI、機械学習、DevOpsなどの新しい技術スキルを持つエンジニアは、高い需要があり、それに伴って給与も高く設定されていることが分かります。

また、当然ではありますが、経験年数やスキルレベルが上がるにつれて、給与も大幅に増加していることが分かります。

参考:https://topdev.vn/TopDev_VietnamITMarketReport2023_VietnamTechTalentsReport.pdf

オフショア開発のベトナム人エンジニアの人月単価

次に、日本企業がベトナムでオフショア開発を行う際の人月単価について見ていきましょう。

『オフショア開発白書(2023年版)』によると、以下のようになっています。

  • プログラマー:40.22万円(前年比+26.75%)
  • シニアエンジニア:49.13万円(前年比+23.20%)
  • ブリッジSE(システムエンジニア):57.73万円(前年比+12.44%)
  • PM(プロジェクトマネージャー):79.38万円(前年比+37.00%)

このデータから、プログラマー、シニアエンジニア、PM、ブリッジSEの各職種で、前年と比較して20%〜30%程度の単価上昇が見られることが分かります。

従来、ベトナムの開発単価は比較的安価で安定していましたが、今年は職能を問わず大幅な単価上昇が観察されました。

単価が上昇している理由としては理由としては以下の2つがベトナムの経済が成長していることと、近年は円安であることが考えられます。

経済成長がベトナム国内のエンジニア給与に影響

まず、ベトナムは近年、急速な経済成長を遂げています。

2020年と2021年には、世界的なパンデミックの中でも前年比プラス成長を維持。

2021年の成長率は2.58%と比較的低水準でしたが、通年でプラス成長を遂げ、2022年には実質GDP成長率が+8.0%に達し、過去25年間で最も高い成長率を記録しました。

経済の急成長に伴い、企業の収益が増加し、人材に対する投資能力が向上します。

そのため、エンジニアを含む技術職の給与水準が引き上げられるのです。

また、経済が成長すると、政府や民間企業はIT教育への投資を拡大します。

そのため、全体としてエンジニアの技術力が向上し、給与水準の上昇につながっているとも考えられます。

円安もベトナムのオフショア開発に影響

ベトナムでのオフショア開発を行う際の平均人月単価が上がっている理由の一つとして、円安の影響も挙げられます。

現在続いている円安は、2022年(令和4年)3月中旬頃から始まりました。

3月上旬まで1ドル115円前後で推移していた為替相場が、円安方向に大きく動き、4月下旬には約20年ぶりに1ドル131円台となりました。円安はその後も進み、10月には一時1ドル152円近くまで上昇。

2023年(令和5年)に入ってからも、円安は続いています。1月には一時1ドル127円台と円高に動きましたが、その後は再び円安が進みました。2024年3月24日現在でも、1ドル151円と非常に円安となっています。

円安が進むことにより、ベトナム国内での給与相場に影響を与え、ベトナムでのオフショア開発の人月単価が上がっていると考えられます。

日本企業がベトナムでのオフショア開発を検討する際には、為替相場の動向にも注意を払う必要があると言えるでしょう。

ベトナムとアジア各国の人月単価の比較

オフショア開発.comによると、アジア各国の人月単価は以下のようになっています。

人月単価 (万円)プログラマーシニアエンジニアブリッジSEPM
中国50.01(+20.00%)61.79(+18.68%)79.29(-6.48%)92.14(7.43%)
ベトナム40.22(+26.75%)49.13(+23.20%)57.73(+12.44%)79.38(+37.00%)
フィリピン35.83(-1.15%)53.33(+7.46%)81.25(+14.32%)70.83(+7.60%)
ミャンマー27.47(+12.25%)54.16(+42.96%)68.33(+40.63%)97.50(+55.23%)
バングラデシュ44.13(+48.90%)46.13(+16.38%)90.96(+30.62%)58.63(+27.27%)
インド50.83(+46.41%)68.75(+33.34%)94.29(+38.72%)111.43(+32.81)

こうして他のアジア圏の国々と比較すると、ベトナムは平均的、フィリピンやミャンマーはもっと安く、中国やインドのITエンジニアの人月単価が非常に高いことが分かります。

また、全体としては上昇傾向にあることも分かります。これは上述した「各国の経済が成長している」「日本円の価値が下がっている」などの理由が考えられるでしょう。

参考:https://www.vn.emb-japan.go.jp/files/100347880.pdf

日本企業が雇用する際のベトナム人エンジニアの給与相場

ここからは、日本でベトナム人エンジニアを採用する際の給与相場について。

まず前提として、外国人であっても日本の労働基準に従い、同等の水準で給与を払う必要があります。

外国人だからといって日本人より特別に安い給与を設定するのはそもそも不公平に繋がりますし、せっかく採用したのに早期で離職されるなどのリスクにもなります。

実際に、外国籍特化型のITエンジニア人材紹介サービス「IT JOBs in Japan」を展開する弊社の実績では、年収400万円〜550万円程度と日本人エンジニアと大きく変わらない水準であることが多いです。

日本語レベルと実務経験の長さで変わる

外国人ITエンジニアの給与は、日本語レベルや実務経験の長さによって変動する傾向があります。

具体例として弊社がこれまでに約3000名の外国人エンジニアとやり取りして得られたデータを基に分類した、外国人エンジニアの給与の4タイプを挙げます。

タイプ実務経験日本語レベル日本企業での就労経験採用時オファー年収目安
1〜2年N3レベル相当(聞き返しはあるが、日本人社員がゆっくり話してあげれば、社内の会話は成立するレベル。)×〜△320万円〜380万円
2〜4年N2〜レベル相当(社内での日本人社員との会話はスムーズ〜問題なくできるレベル。)×〜△380万円~450万円
5〜10年N2〜レベル相当(社内での日本人社員との会話はスムーズ〜問題なくできるレベル。)450万円~600万円
5〜10年N1〜レベル相当(社内・顧客とのやり取りにおいてスムーズ〜問題なくできるレベル。)600万円~1200万円

このように、日本でベトナム人を含む外国人ITエンジニアを採用する際は、実務経験と日本語レベルによって年収が大きく変わります。

特に需要が高いのは、タイプ3、実務経験5〜10年でN2レベル以上の日本語スキルを持つエンジニアであり、SIer/SES企業からの採用ニーズが非常に強いです。

このタイプのエンジニアのオファー年収は450万円から500万円前半の範囲で内定を承諾するケースが多いです。

一方で、タイプ2、実務経験2〜4年でN2レベルの日本語スキルを持つエンジニアも採用されており、オファー年収400万円程度で即戦力として活躍している企業もあります。

なお、それぞれのタイプ別でご紹介実績もまとめておりますので、「日本人だけではエンジニアの採用が追いつかないから外国人採用を行っていきたい」と考えていると考えている方は、ぜひチェックしてみてください。

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