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タイ人エンジニアの人月単価・給与相場|オフショア開発と日本で採用する時

2024年04月14日 公開

執筆・監修:村元康太郎
JOBs Japan株式会社 代表。大手ソフトウェア開発企業の営業・マーケティング部門にて4年間従事した後、日本語オンラインスクールやIT JOBs in Japanを創業。
1000人以上の外国人に対して日本語学習サポートや、世界15カ国出身・100人以上のITエンジニアの転職支援など豊富な実績を持つ。

近年、IT産業が発展しているタイ。

アジア各国の中で人月単価が最安レベルであることからオフショア開発先として人気もありつつ、文化的・地理的に近い日本で就職する心理的なハードルが比較的に低いことから、外国人エンジニアの採用元として人気もある国となっています。

オフショア開発や採用する時に気になるのが「人月単価」や「タイ人エンジニアの給与」です。

その疑問に答えるべく、本記事ではタイ人ITエンジニアの給与について

  1. タイ国内におけるエンジニアの給与
  2. オフショア開発として依頼する場合の人月単価
  3. 日本で採用する際のタイ人エンジニアの給与相場

これら3つのケースでそれぞれ解説してきます。

なお、タイ人エンジニアの特徴や採用方法については以下の記事でご紹介しています。合わせてチェックしてみてください。

タイ国内でのエンジニア給与相場は日本の4分の1程度

Glassdoor.comのデータによると、タイの首都バンコクでは、エンジニアの平均月収は約11.5万円(28,000タイバーツ)。

給与の範囲は約8.2万円(20,000タイバーツ)から約20万円(50,000タイバーツ)です。

タイでは、特にバンコクなどの都市部では、IT産業が発展しておりエンジニアの需要が高まっています。このため、経験豊富なエンジニアや特定のスキルを持つエンジニアは、平均よりも高い給与を得る傾向があります。

一方、日本のITエンジニアの平均月収は約37万円で、年収に換算すると約450万円程度とされています。

このことから、タイ国内のエンジニアの年収は日本の約3分の1から4分の1程度にあたり、日本とタイのエンジニアの給与水準には大きな差があることがわかります。

ただし、タイの給与水準は近年上昇傾向にあり、経済成長に伴いその差は徐々に縮まってきていると言えるでしょう。

参考:https://www.glassdoor.com/Salaries/bangkok-engineering-salary-SRCH_IL.0,7_IM1119_KO8,19.htm

タイ国内におけるエンジニアのポジションによる給与の差

上述した給与水準は、あくまで平均値です。

ジュニアエンジニアやシニアエンジニアなど、エンジニアのポジションによって給与は変化します。

以下は世界的な求人サイトであるtalent.comのデータを元に、エンジニアのポジションごとに給与水準をまとめたものです。

ポジション平均年収(日本円)平均年収(タイバーツ)
Director2,400,000円600,000THB
Operations Manager2,384,000円596,000THB
Project Manager2,352,000円588,000THB
Service Engineer1,680,000円420,000THB
Engineer1,680,000円420,000THB
Technical Engineer1,584,000円396,000THB
Project Engineer1,440,000円360,000THB
Industrial Engineer1,320,000円330,000THB
Mechanical Engineer1,320,000円330,000THB
Production Supervisor1,272,000円318,000THB

このように、給与水準はエンジニアのポジションによって大きく変わることが分かります。

ただ、これらの数値はあくまで目安であり、実際の給与は会社や業界、個人のスキルや経験によって異なります。

参考:http://www.talent.com/

タイ国内におけるスキル別の給与単価

また、エンジニアのポジションだけでなく、スキルによっても年収は変化します。

以下は、様々な情報をもとにスキル別に平均年収をまとめた表になります。

Skill/Role平均年収(日本円)平均年収(タイバーツ)
シニアエンジニア4,819,092円฿1,204,773
フロントエンド2,832,000円฿708,000
バックエンド3,360,000円฿840,000
フルスタック3,840,000円฿960,000
モバイルエンジニア (iOS/Android)3,600,000円฿900,000
データサイエンス/機械学習4,800,000円฿1,200,000
クラウド/DevOps4,320,000円฿1,080,000

※これらの数値はあくまで目安であり、実際の給与は会社や業界、個人のスキルや経験によって異なります。

こうしてみると、データサイエンス・機械学習やクラウド・DevOpsなど比較的新しい領域の給与水準が高く設定されていることが分かります。

参考:https://www.payscale.com/research/TH/Job=Senior_Software_Engineer/Salary/a9cc6f32/Bangkok

オフショア開発のタイ人エンジニアの人月単価

タイでのオフショア開発における人月単価の相場は27万円から37万円程度であるとされています。

ただ、近年は複数の要因により、この単価は上昇傾向にあります。

要因としては、主にタイ国内の経済成長、日本円の価値が相対的に下がっていることなどが上げられるでしょう。

継続した経済成長がオフショア開発費の上昇に影響

まず、タイの経済成長は、オフショア開発費の上昇に大きな影響を与えています。

2022年のタイの経済成長率は前年比+2.5%と上向き。2023年は輸出低迷の影響で成長率が1.9%にやや下がったものの、依然として成長を続けています。

というのは、タイは農業中心の経済から工業中心の経済へと産業構造を転換し、付加価値の高い製品を国内で販売または輸出することで、高い経済成長を実現しているため。

国際協力銀行によると、2024年にかけてのタイの経済成長率は3.0%と予想され、国際通貨基金(IMF)は2024年のタイのGDP成長率が主に短期の景気刺激策のおかげで4.4%に上るとの見通しを示しています。

このように、今後も経済成長が期待されているため、オフショア開発費の上昇が予想されます。

タイの経済成長に伴い、給与水準も上昇しており、これがオフショア開発費の上昇につながっています。

高い技術力を持つエンジニアの需要が増えると、それに応じて給与水準も上がるため、オフショア開発費も上昇すると考えられます。

そのため、タイでオフショア開発を行う企業は、この経済情勢を考慮に入れた上で、開発費用の見積もりを行う必要があるといえるでしょう。

円安も人月単価の上昇に影響:タイバーツの価値が約1.2倍に

円安もタイでのオフショア開発費の上昇に影響を与えています。

2022年3月中旬から始まった円安は、その後も進行し、2024年3月24日現在でも1ドル151円と非常に円安の状態が続いています。

実際に、タイと日本円のレートは近年大幅に円安方向へ変化しています。

2020年頃は1円が0.3タイバーツほどでしたが、2024年現在は1円が0.25タイバーツほどに。つまり、日本円から見たタイバーツの価値が約1.2倍程度にまで上昇しているということになります。

円安が進むことで、タイバーツ換算での給与が上昇し、その結果、タイでのオフショア開発費も上昇するという構図が見えてきます。

日本企業がタイでのオフショア開発を行う際には、このような為替の影響も考慮に入れたコスト計算が必要だと言えるでしょう。

アジア各国のオフショア人月単価との比較

なお、オフショア開発.comによると、アジア各国の人月単価は以下のようになっています。

人月単価 (万円)プログラマーシニアエンジニアブリッジSEPM
中国50.01(+20.00%)61.79(+18.68%)79.29(-6.48%)92.14(7.43%)
ベトナム40.22(+26.75%)49.13(+23.20%)57.73(+12.44%)79.38(+37.00%)
フィリピン35.83(-1.15%)53.33(+7.46%)81.25(+14.32%)70.83(+7.60%)
ミャンマー27.47(+12.25%)54.16(+42.96%)68.33(+40.63%)97.50(+55.23%)
バングラデシュ44.13(+48.90%)46.13(+16.38%)90.96(+30.62%)58.63(+27.27%)
インド50.83(+46.41%)68.75(+33.34%)94.29(+38.72%)111.43(+32.81)

タイの場合は人月単価が27~37万円だと言われていることを考慮すると、タイはオフショア開発先としては東南アジアのなかでも安い方だと言えるでしょう。

日本企業が雇用する際のタイ人エンジニアの給与相場

ここからは、日本でタイ人エンジニアを採用する際の給与相場について。

まず前提として、外国人であっても日本の労働基準に従い、同等の水準で給与を払う必要があります。

外国人だからといって日本人より特別に安い給与を設定するのはそもそも不公平に繋がりますし、せっかく採用したのに早期で離職されるなどのリスクにもなります。

実際に、外国籍特化型のITエンジニア人材紹介サービス「IT JOBs in Japan」を展開する弊社の実績では、年収400万円〜550万円程度と日本人エンジニアと大きく変わらない水準であることが多いです。

外国人エンジニアの給与は日本語レベルと実務経験の長さで変わる

外国人ITエンジニアの給与は、日本語レベルや実務経験の長さによって変動する傾向があります。

具体例として外国籍ITエンジニア特化型のエンジニア紹介事業を展開する弊社がこれまでに約3000名の外国人エンジニアとやり取りして得られたデータを基に分類した、外国人エンジニアの給与の4タイプを挙げます。

タイプ実務経験日本語レベル日本企業での就労経験採用時オファー年収目安
1〜2年N3レベル相当(聞き返しはあるが、日本人社員がゆっくり話してあげれば、社内の会話は成立するレベル。)×〜△320万円〜380万円
2〜4年N2〜レベル相当(社内での日本人社員との会話はスムーズ〜問題なくできるレベル。)×〜△380万円~450万円
5〜10年N2〜レベル相当(社内での日本人社員との会話はスムーズ〜問題なくできるレベル。)450万円~600万円
5〜10年N1〜レベル相当(社内・顧客とのやり取りにおいてスムーズ〜問題なくできるレベル。)600万円~1200万円

このように、日本でタイ人を含む外国人ITエンジニアを採用する際は、実務経験と日本語レベルによって年収が大きく変わります。

特に需要が高いのは、タイプ3、実務経験5〜10年でN2レベル以上の日本語スキルを持つエンジニアであり、SIer/SES企業からの採用ニーズが非常に強いです。

このタイプのエンジニアのオファー年収は450万円から500万円前半の範囲で内定を承諾するケースが多いです。

一方で、タイプ2、実務経験2〜4年でN2レベルの日本語スキルを持つエンジニアも採用されており、オファー年収400万円程度で即戦力として活躍している企業もあります。

実際に、弊社でご紹介したタイ人エンジニアの方々も上述したパターンの給与の範囲に収まることが多いです。

例えば、日本語レベルはN3(直近でN2を受験)・開発経験は5年のパターン③にあたるフルスタックエンジニアの方は、年収480万円でご入社。

他にも、 日本語レベルはN2、PythonとC#をメインでフリーランスのエンジニアとして活躍されていた方(上記のパターン②に相当)は年収440万円でご入社されました。

弊社でご紹介を行ったタイ人エンジニアの方々については、下記で詳細をまとめておりますのでぜひ合わせてチェックしてみてください。

なお、他にもご紹介実績をまとめておりますので、「日本人だけではエンジニアの採用が追いつかないから外国人採用を行っていきたい」と考えていると考えている方は、ぜひチェックしてみてください。

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