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韓国人エンジニアの人月単価・給与相場|オフショア開発・日本時の採用時を解説

2024年04月20日 公開

執筆・監修:村元康太郎
JOBs Japan株式会社 代表。大手ソフトウェア開発企業の営業・マーケティング部門にて4年間従事した後、日本語オンラインスクールやIT JOBs in Japanを創業。
1000人以上の外国人に対して日本語学習サポートや、世界15カ国出身・100人以上のIT・機械・電気エンジニアの転職支援など豊富な実績を持つ。

日本に比べIT技術者の割合がはるかに高く、世界で一番の日本語学習者数を誇る国である韓国は、近年外国人エンジニアを採用する際に人気となっている国。また、優秀な技術者顔多いためオフショア開発先としても一定の人気を誇るのが韓国です。

ただ、韓国人エンジニアを採用する時や韓国をオフショア開発先として選択する時に気になるのが「人月単価」や「韓国人エンジニアの給与」です。

本記事では、そのような疑問の答えるべく韓国人エンジニアの人月単価・給与について

  1. 韓国国内における韓国人エンジニアの給与
  2. オフショア開発として韓国に依頼する場合の人月単価
  3. 日本で採用する際の韓国エンジニアの給与相場

これら3つのケースでそれぞれ解説していきます。

なお、韓国人エンジニアの採用手法については、以下の記事で詳しく解説しています。特徴や採用するメリット/デメリット、詳しく解説していますので、是非チェックしてみてください。

韓国国内でのエンジニア給与相場

韓国国内におけるエンジニアの平均給与は、約600万円(5400万ウォン)であり、これは日本の平均よりも高い水準です。

特に大手企業や国際的なIT企業で働くエンジニアは、より高い給与を得ています。

Glassdoor.comのデータに基づくと、韓国のエンジニアの給与は、最低約500万円(4500万ウォン)から始まり、一部の企業では2000万円を超えることもあります。

特にSamsung、Intel、Google、Apple、GEなどの名だたる世界的企業では高額な給与が設定されています。

一方、2023年12月にdodaが発表した調査によると、日本のITエンジニアの平均年収は約450万円とされています。

このデータを参考にすると、韓国のエンジニアの平均給与は日本よりも高いと言えるでしょう。

そもそも、韓国全体はIT人材の不足を解消するために、新卒のIT人材に対して高給を支払っています。

さらに、国としてIT化を進める方針のもと、2020年の国連経済社会局の電子政府ランキングでは世界193カ国中2位にランクされるなど、IT先進国としての地位を築いていることも高い賃金水準に影響していると考えられます。

しかし、韓国では、中小企業と大企業間での賃金や労働条件の格差が大きいという問題が存在します。

これが原因で多くの若者が大企業への就職を希望し、新卒の就職率の低下に影響している、という背景があります。

また、就職氷河期が続いており、海外への就職を目指す学生も増えており、その中には日本への就職を希望する韓国人も多く存在します。

まとめると、韓国国内におけるエンジニアの給与水準は比較的高いものの、大企業と中小企業の間には大きな給与格差が存在するため、大企業に就職できなかった人材の中には海外への就職を目指す人も多く存在する、という状況だと考えられるでしょう。

エンジニアのポジションによる給与の差

韓国に限らず、エンジニアの給与はポジションによって大きく変動します。

以下は、payscale.comやglassdoor.com、indeedなどの給与の統計データを公開しているサイトからの情報を元に、韓国国内におけるエンジニアの給与をポジション別でまとめた表になります。

ポジション給与レンジ(日本円に換算)給与レンジ(韓国ウォン)
ディレクター770-1100万円7000万-1億ウォン
オペレーションマネージャー660-880万円60008000万ウォン
プロジェクトマネージャー(PM)550-770万円5000-7000万ウォン
サービスエンジニア440-660万円4000-6000万ウォン
エンジニア385-605万円3500-5500万ウォン
テクニカルエンジニア440-660万円4000-6000万ウォン
プロジェクトエンジニア440-660万円4000-6000万ウォン
産業エンジニア440-660万円4000-6000万ウォン
メカニカルエンジニア440-660万円4000-6000万ウォン

※1万ウォン=1100円として換算。2024年4月12日時点のレートを参考。

こうしてみると、「ディレクター」や「オペレーションマネージャー」といった管理職のポジションは、他の技術職に比べて給与が高い傾向にあります。管理職はより多くの責任を負い、チームやプロジェクト全体を管理する必要があるためですね。

また、「プロジェクトマネージャー」や「プロジェクトエンジニア」といった、プロジェクト管理に関連する職種も比較的給与が高いです。プロジェクトの成功が企業の業績に直結するため、これらの職種には高い報酬が設定されています。

参考:glassdoor.com
参考:payscale.com
参考:indeed.com

エンジニアの専門領域による年収の差

また、フロントエンドかバックエンドか、エンジニアの専門領域によっても給与は変化します。

以下は様々な統計データを元に、韓国国内でのエンジニアの給与レンジを、専門領域別にまとめたデータになります。

専門領域給与レンジ(日本円に換算)給与レンジ(韓国ウォン)
フロントエンド開発者440 - 660万円4000 - 6000万ウォン
バックエンド開発者440 - 660万円4000 - 6000万ウォン
フルスタック開発者440 - 880万円4000 - 8000万ウォン
モバイル開発者 (iOS/Android)440 - 660万円4000 - 6000万ウォン
データサイエンス/機械学習550 - 990万円5000 - 9000万ウォン
クラウド/DevOps660 - 1320万円6000 - 1.2億ウォン

※1万ウォン=1100円として換算。2024年4月12日時点のレートを参考。

こうして専門領域ごとのデータを見ると、データサイエンスやクラウドなどの比較的新しい分野では高い給与が支払われていることが分かります。

オフショア開発の場合の韓国人エンジニアの人月単価

韓国におけるオフショア開発の人月単価は、役割や経験、必要なスキルセットによって大きく異なりますが、平均としては韓国人エンジニアの人月単価は約50万円程度だと言われています。

中国人エンジニアの人月単価も約50万円程度と言われているため、韓国人エンジニアのオフショア人月単価は中国とおよそ同じだと言えるだろう。

ただ、人月単価約50万円はあくまで平均。エンジニアのスキルによって、次のように変化します。

専門領域人月単価(日本円に換算)人月単価(韓国ウォン)
ジュニアデベロッパー35.2 - 70.4万円320 - 640万ウォン
中級デベロッパー70.4 - 140万円640 - 1280万ウォン
シニアデベロッパー140- 176万円1280 - 1600万ウォン

これはあくまで傾向ですので、実際にオフショア開発を依頼する際に見積もりを取ってみるのが良いでしょう。

ただ、韓国人エンジニアへのオフショア開発はとりわけコスト削減にはなりませんので、ベトナムやフィリピンなどの優秀なエンジニアを採用する方がコストの観点では良いかも知れません。

外国籍エンジニアに特化した人材紹介サービス”IT JOBs in Japan”を展開する弊社でも、ベトナムやフィリピン、インドネシアなどの優秀なエンジニアを多数紹介させていただいた事例がございます。

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他国と比較しても、韓国のオフショア開発費用は高い

以下は、オフショア開発.comがリリースした「オフショア開発白書」によるデータをもとに、アジア各国の人月単価をまとめた表になります。

人月単価 (万円)プログラマーシニアエンジニアブリッジSEPM
中国50.01(+20.00%)61.79(+18.68%)79.29(-6.48%)92.14(7.43%)
ベトナム40.22(+26.75%)49.13(+23.20%)57.73(+12.44%)79.38(+37.00%)
フィリピン35.83(-1.15%)53.33(+7.46%)81.25(+14.32%)70.83(+7.60%)
ミャンマー27.47(+12.25%)54.16(+42.96%)68.33(+40.63%)97.50(+55.23%)
バングラデシュ44.13(+48.90%)46.13(+16.38%)90.96(+30.62%)58.63(+27.27%)
インド50.83(+46.41%)68.75(+33.34%)94.29(+38.72%)111.43(+32.81)

韓国におけるオフショア開発の平均的な人月単価が50万円であることを考慮すると、韓国はアジア各国の中ではトップクラスに人月単価が高い事がわかります。

IT先進国であることからスキルも高い傾向にありますが、近年ではベトナムやフィリピンでも優秀なエンジニアの母数が急速に増えています。 

韓国のオフショア開発費が高い理由

韓国のオフショア開発費が他のアジア諸国に比べて高い理由は、主に二つあります。

まず一つ目の理由は、高い賃金水準です。

韓国では、特にIT分野で技術者の給与が高く設定されており、これは国内の高い生活コストと教育水準に起因しています。

たとえば、上述したように韓国のエンジニアの平均給与は約600万円とされており、これは隣国である日本や中国の平均よりも高い水準にあります。この高い労働コストが、オフショア開発における費用を押し上げる一因となっています。

二つ目の理由は、韓国の高度な技術力と技術者の質です。

韓国は長年にわたりIT分野での投資を積極的に行ってきた結果、高い技術力を有するエンジニアが多く存在しています。

このような高度なスキルを持つエンジニアの存在は、オフショア開発の品質を保証するものの、同時に高額な報酬が必要となるため、開発費用が増加する原因となっています。

この二つの要因が組み合わさることで、韓国のオフショア開発費が他国に比べて高くなっていると考えられるでしょう。

日本企業が雇用する際の韓国人エンジニアの給与相場

ここからは、日本で韓国人エンジニアを採用する際の給与相場について。

まず前提として、外国人であっても日本の労働基準に従い、同等の水準で給与を払う必要があります。

外国人だからといって日本人より特別に安い給与を設定するのはそもそも不公平に繋がりますし、せっかく採用したのに早期で離職されるなどのリスクにもなります。

実際に、外国籍特化型のITエンジニア人材紹介サービス「IT JOBs in Japan」を展開する弊社の実績では、年収400万円〜550万円程度と日本人エンジニアと大きく変わらない水準であることが多いです。

日本語レベルと実務経験の長さで変わる

外国人ITエンジニアの給与は、日本語レベルや実務経験の長さによって変動する傾向があります。

具体例として弊社がこれまでに約3000名の外国人エンジニアとやり取りして得られたデータを基に分類した、外国人エンジニアの給与の4タイプを挙げます。

タイプ実務経験日本語レベル日本企業での就労経験採用時オファー年収目安
1〜2年N3レベル相当(聞き返しはあるが、日本人社員がゆっくり話してあげれば、社内の会話は成立するレベル。)×〜△320万円〜380万円
2〜4年N2〜レベル相当(社内での日本人社員との会話はスムーズ〜問題なくできるレベル。)×〜△380万円~450万円
5〜10年N2〜レベル相当(社内での日本人社員との会話はスムーズ〜問題なくできるレベル。)450万円~600万円
5〜10年N1〜レベル相当(社内・顧客とのやり取りにおいてスムーズ〜問題なくできるレベル。)600万円~1200万円

このように、日本で韓国人を含む外国人ITエンジニアを採用する際は、実務経験と日本語レベルによって年収が大きく変わります。

特に需要が高いのは、タイプ3、実務経験5〜10年でN2レベル以上の日本語スキルを持つエンジニアであり、SIer/SES企業からの採用ニーズが非常に強いです。

このタイプのエンジニアのオファー年収は450万円から500万円前半の範囲で内定を承諾するケースが多いです。

一方で、タイプ2、実務経験2〜4年でN2レベルの日本語スキルを持つエンジニアも採用されており、オファー年収400万円程度で即戦力として活躍している企業もあります。

なお、それぞれのタイプ別でご紹介実績もまとめておりますので、「日本人だけではエンジニアの採用が追いつかないから外国人採用を行っていきたい」と考えていると考えている方は、ぜひチェックしてみてください。

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