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フィリピン人エンジニアの人月単価・給与相場|オフショア開発と日本で採用する時

2024年04月09日 公開

執筆・監修:村元康太郎
JOBs Japan株式会社 代表。大手ソフトウェア開発企業の営業・マーケティング部門にて4年間従事した後、日本語オンラインスクールやIT JOBs in Japanを創業。
1000人以上の外国人に対して日本語学習サポートや、世界15カ国出身・100人以上のITエンジニアの転職支援など豊富な実績を持つ。

急速にIT分野の成長が進んでいるフィリピン。

近年では、オフショア開発先としても人気があり、フィリピン人エンジニアなどのIT人材の採用としても人気のある国になっています。

しかし、実際にオフショア開発として選ぶ場合の人月単価や、フィリピン人エンジニアを採用する場合の給与はどの程度のものになるのでしょうか?

その疑問に答えるべく、本記事ではフィリピン人ITエンジニアの給与について

  1. フィリピン国内におけるエンジニアの給与
  2. オフショア開発として依頼する場合の人月単価
  3. 日本で採用する際のフィリピン人エンジニアの給与相場

これら3つのケースでそれぞれ解説してきます。

なお、フィリピン人エンジニアの特徴や採用方法については以下の記事でご紹介しています。合わせてチェックしてみてください。

フィリピン国内でのエンジニア給与相場

フィリピン国内のエンジニアの給与相場は、日本と比較すると低い水準にあります。

talent.comのデータによると、フィリピンでのエンジニアの平均年収は約113万円(420,000ペソ)で、時給換算では約450円(168ペソ)となります。

経験の浅いエンジニアの入社時の年収は約92万円(342,000ペソ)からスタートし、経験豊富なエンジニアは最大で約200万円(730,400ペソ)まで収入が上がることが分かります。

一方で、dodaが2023年12月に発表した調査によると、日本のITエンジニアの平均年収は約450万円程度とされています。

このことから、フィリピン国内のエンジニアの年収は日本のおよそ4分の1程度にあたることがわかります。

日本とフィリピンのエンジニアの給与水準には大きな差が存在すると言えるでしょう。

しかし、フィリピンの経済成長に伴い、その差は徐々に縮まってきています。

というのは、フィリピンではIT産業が発展しており、特にBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)産業の拡大により、エンジニアの需要が高まっているため。

そのため、エンジニアの給与も徐々に上昇傾向にあります。

参考:https://ph.talent.com/salary?job=engineer

エンジニアのポジションによる給与の差

フィリピンのエンジニアの年収はポジションによって大きく異なります。

以下は、talent.comが発表したデータに基づいた、様々なエンジニアのポジションにおける年収の一例です。

ポジション年収(約日本円)
Director約1,500,000円
Operations Manager約1,490,000円
Project Manager約1,470,000円
Service Engineer約1,050,000円
Engineer約1,050,000円
Technical Engineer約990,000円
Project Engineer約900,000円
Industrial Engineer約825,000円
Mechanical Engineer約825,000円
Production Supervisor約795,000円

※1ペソ=約2.5円として換算しています。

この表から分かるように、DirectorやOperations Managerなどの管理職のポジションでは年収が高くなる傾向にあります。

一方で、Project EngineerやIndustrial Engineerなどの専門職では、年収がやや低めに設定されていることが見て取れます。

ポジションによる給与の差は、そのポジションの責任範囲や求められるスキルセットの違いによるものと考えられます。フィリピンでエンジニアを採用する際には、このような給与の差異にも注意を払うことが重要です。

エンジニアの職種・スキルによる年収の差

また、エンジニアの職種・スキルによっても年収は異なります。

以下、各種転職サイトの情報を参考に、簡潔にですがまとめてみましたのでぜひ参考にしてみてください。なお、推測値も含まれるため一定のブレはありますがご了承ください。

領域ジュニアエンジニアシニアエンジニア
フロントエンド開発780,000 ~ 1,170,0001,170,000 ~ 1,560,000
バックエンド開発1,040,000 ~ 1,560,0001,560,000 ~ 2,080,000
フルスタック開発1,300,000 ~ 1,950,0001,950,000 ~ 2,600,000
モバイル開発(iOS/Android)1,040,000 ~ 1,560,0001,560,000 ~ 2,080,000
データサイエンス/機械学習1,560,000 ~ 2,340,0002,340,000 ~ 3,120,000
クラウド/DevOps1,560,000 ~ 2,340,0002,340,000 ~ 3,120,000
単位:円

こうして俯瞰すると、データサイエンス/機械学習やクラウド/DevOpsの分野では、他の専門領域に比べて高い給与水準が見られるのが分かります。

これらの分野が高度な技術知識を要求されるため、より高い報酬が設定されていると考えられるでしょう。

参考: https://www.glassdoor.com

参考: https://www.payscale.com

参考: https://ph.indeed.com

オフショア開発の場合のフィリピン人エンジニアの人月単価

『オフショア開発白書(2023年版)』によると、オフショア開発の場合にフィリピン人エンジニアの人月相場は以下のようになっています。

人月単価 (万円)プログラマーシニアエンジニアブリッジSEPM
フィリピン35.83(-1.15%)53.33(+7.46%)81.25(+14.32%)70.83(+7.60%)

括弧内の数字は前年比上昇率。単位:万円

このように見ると、プログラマーを除く全ての職種で平均的に人月単価が上昇していることが分かります。

フィリピンの経済成長が人月単価の上昇に影響か

人月単価が向上している理由としては、まずフィリピンの経済が成長していることが考えられます。

2022年は、新型コロナウイルス感染症の流行からの回復を経て、前年比で+7.6%の実質GDP成長を達成しています。

その後、2023年の経済成長率は、前年比5.6%でした。 これは、政府が掲げた6.0~7.0%の成長目標を下回る結果となりました。

2023年10~12月のフィリピン経済は、インフレの鈍化が個人消費を支え、予想を上回る成長となりました。 10~12月の国内総生産(GDP)は前年同期比5.6%増加し、ブルームバーグ調査の予想中央値(5.2%増)を上回りました。 

参考:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-31/S83SMOT0AFB400

参考:https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/02/7840fb7251d7c694.html

円安も人月単価の上昇に影響

フィリピンの人月単価が上昇している理由として、近年の円安も考えられます。

現在続いている円安は、2022年(令和4年)3月中旬頃から始まりました。

3月上旬まで1ドル115円前後で推移していた為替相場が、円安方向に大きく動き、4月下旬には約20年ぶりに1ドル131円台となりました。円安はその後も進み、10月には一時1ドル152円近くまで上昇。

2023年(令和5年)に入ってからも、円安は続いています。1月には一時1ドル127円台と円高に動きましたが、その後は再び円安が進みました。2024年3月24日現在でも、1ドル151円と非常に円安となっています。

円安が進むことにより、フィリピン国内での給与相場に影響を与え、フィリピンでのオフショア開発の人月単価が上がっていると考えられます。

日本企業がフィリピンでのオフショア開発を検討する際には、為替相場の動向にも注意を払う必要があると言えるでしょう。

アジア各国のオフショア人月単価の比較

オフショア開発.comによると、アジア各国の人月単価は以下のようになっています。

人月単価 (万円)プログラマーシニアエンジニアブリッジSEPM
中国50.01(+20.00%)61.79(+18.68%)79.29(-6.48%)92.14(7.43%)
ベトナム40.22(+26.75%)49.13(+23.20%)57.73(+12.44%)79.38(+37.00%)
フィリピン35.83(-1.15%)53.33(+7.46%)81.25(+14.32%)70.83(+7.60%)
ミャンマー27.47(+12.25%)54.16(+42.96%)68.33(+40.63%)97.50(+55.23%)
バングラデシュ44.13(+48.90%)46.13(+16.38%)90.96(+30.62%)58.63(+27.27%)
インド50.83(+46.41%)68.75(+33.34%)94.29(+38.72%)111.43(+32.81)

このように各国で比較すると、フィリピンの人月単価はアジアの中でもかなり安い部類にあることが分かります。

なお、オフショア開発といえばベトナムなども人気ですが、フィリピンは全体の平均では安いものの、ブリッジSEは大幅にベトナムよりも高い傾向があります。

これは、フィリピンのオフショア開発が近年人気になっており、橋渡しとなるブリッジSEの需要が上がっていることなどが理由として考えられます。

日本企業が雇用する際のフィリピン人エンジニアの給与相場

ここからは、日本でフィリピン人エンジニアを採用する際の給与相場について。

まず前提として、外国人であっても日本の労働基準に従い、同等の水準で給与を払う必要があります。

外国人だからといって日本人より特別に安い給与を設定するのはそもそも不公平に繋がりますし、せっかく採用したのに早期で離職されるなどのリスクにもなります。

実際に、外国籍特化型のITエンジニア人材紹介サービス「IT JOBs in Japan」を展開する弊社の実績では、年収400万円〜550万円程度と日本人エンジニアと大きく変わらない水準であることが多いです。

日本語レベルと実務経験の長さで変わる

外国人ITエンジニアの給与は、日本語レベルや実務経験の長さによって変動する傾向があります。

具体例として外国籍ITエンジニア特化型のエンジニア紹介事業を展開する弊社がこれまでに約3000名の外国人エンジニアとやり取りして得られたデータを基に分類した、外国人エンジニアの給与の4タイプを挙げます。

タイプ実務経験日本語レベル日本企業での就労経験採用時オファー年収目安
1〜2年N3レベル相当(聞き返しはあるが、日本人社員がゆっくり話してあげれば、社内の会話は成立するレベル。)×〜△320万円〜380万円
2〜4年N2〜レベル相当(社内での日本人社員との会話はスムーズ〜問題なくできるレベル。)×〜△380万円~450万円
5〜10年N2〜レベル相当(社内での日本人社員との会話はスムーズ〜問題なくできるレベル。)450万円~600万円
5〜10年N1〜レベル相当(社内・顧客とのやり取りにおいてスムーズ〜問題なくできるレベル。)600万円~1200万円

このように、日本でフィリピン人を含む外国人ITエンジニアを採用する際は、実務経験と日本語レベルによって年収が大きく変わります。

特に需要が高いのは、タイプ3、実務経験5〜10年でN2レベル以上の日本語スキルを持つエンジニアであり、SIer/SES企業からの採用ニーズが非常に強いです。

このタイプのエンジニアのオファー年収は450万円から500万円前半の範囲で内定を承諾するケースが多いです。

一方で、タイプ2、実務経験2〜4年でN2レベルの日本語スキルを持つエンジニアも採用されており、オファー年収400万円程度で即戦力として活躍している企業もあります。

実際に、弊社でご紹介したエンジニアも上述したパターンの給与の範囲に収まることが多いです。

開発経験が7年、日本語力がN2レベル相当、つまり上記の分類ではパターン3のフィリピン人フルスタックエンジニアの方は年収550万円でオファー。

他にも、開発経験が19年(フィリピンで4年、日本で15年)、日本語力がN1レベル相当、上記の分類ではパターン4のフルスタックエンジニアの方は年収650万円でオファーが行われました。

弊社でご紹介を行ったフィリピン人エンジニアの方々については、下記で詳細をまとめておりますのでぜひ合わせてチェックしてみてください。

なお、他にもご紹介実績をまとめておりますので、「日本人だけではエンジニアの採用が追いつかないから外国人採用を行っていきたい」と考えていると考えている方は、ぜひチェックしてみてください。

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