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インドネシア人エンジニアの給与相場・人月単価|日本での採用時・オフショア開発では?

2024年04月30日 公開

執筆・監修:村元康太郎
JOBs Japan株式会社 代表。大手ソフトウェア開発企業の営業・マーケティング部門にて4年間従事した後、日本語オンラインスクールやIT JOBs in Japanを創業。
1000人以上の外国人に対して日本語学習サポートや、世界15カ国出身・100人以上のIT・機械・電気エンジニアの転職支援など豊富な実績を持つ。

インドネシア人エンジニアを採用する時やインドネシアをオフショア開発先として選択する時に気になるのが「人月単価」や「インドネシア人エンジニアの給与」です。

本記事では、そのような疑問の答えるべくインドネシア人エンジニアの人月単価・給与について

  1. 日本で採用する際のインドネシア人エンジニアの給与相場
  2. インドネシア国内におけるエンジニアの給与
  3. オフショア開発としてインドネシアに依頼する場合の人月単価

これら3つのケースでそれぞれ解説していきます。

なお、インドネシア人エンジニアの特徴や採用方法については以下の記事でご紹介しています。合わせてチェックしてみてください。

日本企業が採用する場合のインドネシア人エンジニアの給与

日本の企業がインドネシア人エンジニアを採用する際の年収は、エンジニアの日本語能力、実務経験の長さ、そして日本企業での就労経験の有無によって大きく異なります。

実際、上記のような要因はエンジニアの職務遂行能力に影響を与えるため、採用を行う企業にとっては年収を決めるうえでとても大切な観点だと言えるでしょう。

ここからは、外国人ITエンジニア特化型の人材紹介事業を行う弊社のデータを基に、どのようにこれらの要素が給与に影響を与えるかを解説していきます。

具体例として弊社がこれまでに約3000名の外国人エンジニアとやり取りして得られたデータを基に分類した、外国人エンジニアの給与の4タイプを例に取り上げていきましょう。

タイプ実務経験日本語レベル日本企業での就労経験採用時オファー年収目安
1〜2年N3レベル相当(聞き返しはあるが、日本人社員がゆっくり話してあげれば、社内の会話は成立するレベル。)×〜△320万円〜380万円
2〜4年N2〜レベル相当(社内での日本人社員との会話はスムーズ〜問題なくできるレベル。)×〜△380万円~450万円
5〜10年N2〜レベル相当(社内での日本人社員との会話はスムーズ〜問題なくできるレベル。)450万円~600万円
5〜10年N1〜レベル相当(社内・顧客とのやり取りにおいてスムーズ〜問題なくできるレベル。)600万円~1200万円

日本語レベルが年収に大きく影響

日本で働く外国人エンジニアの年収は、日本語能力に大きく依存します。

日本語能力試験(JLPT)のN3レベルでは日常会話は可能ですが、ビジネス会話には不十分で、年収は一般的に400万円以下です。

一方、N2レベルではもう少し複雑な会話が理解でき、日常的なビジネス場面でのコミュニケーションがスムーズに行えるため、年収は400万円前後となることが多いです。

N1レベルの場合、N2レベル以上に、社内・社外問わず、技術的な議論も自由にこなすことができるため、年収は600万円から1200万円までと幅広く設定されています。

実際に、外国人エンジニアに特化した人材紹介を行う弊社でインドネシア人エンジニアご紹介させていただいた事例としても、

・実務経験2年・日本語レベルN3でオファー年収は350万円(タイプ2人材)

・実務経験が5年・日本語レベルN2でオファー年収は450万円(タイプ3人材)

・同じく、実務経験5年・日本語レベルN2でオファー年収が500万円(タイプ3人材)

のようになっています。

このことからも、N2という日本語レベル、日本企業での実務経験有無が採用ニーズの目安になっており、採用獲得時の年収に影響しています。

インドネシア人の日本語学習者数は世界2位

なお、インドネシア人の日本語レベルは一般的に高いとされています。

国際交流基金の調査によれば、インドネシアは約71万人の日本語学習者を持ち、これは世界で2番目に多い数です。日本語能力試験(JLPT)の受験者数も7,531人と東南アジアで比較的多く、多くの高校で日本語が第二言語または選択科目として教えられています。

ここから、インドネシアにおいては日本語は比較的ポピュラーな言語であることが分かります。

ただ、全体として流暢に日本語を扱えるエンジニアはそこまで多くないのも事実です。基本的には、インドネシア人エンジニアを採用するときは追加でビジネス日本語などの研修を行う必要があると考えておきましょう。

インドネシア人エンジニアを採用すると時の注意点やポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ合わせてチェックしてみてください。

実務経験の長さが年収に影響

実務経験の長さもエンジニアの年収に大きな影響を与える要因の一つです。

具体的には、1〜2年の実務経験を持つエンジニアの年収は400万円以下が一般的ですが、2〜4年の経験がある場合は年収が約400万円になることが多いです。

さらに、5年以上の実務経験を持つエンジニアの場合、その専門性と経験値に応じて年収は400万円台から1000万円以上に大きく跳ね上がることがあります。

日本企業での経験有無も影響

ご参考として実際のインドネシア人エンジニアのご紹介実績例をご紹介いたします。インドネシア人エンジニアについて詳しく知りたい方は是非チェックしてみてください。

なお、それぞれのタイプ別でご紹介実績もまとめておりますので、「日本人だけではエンジニアの採用が追いつかないから外国人採用を行っていきたい」と考えていると考えている方は、ぜひチェックしてみてください。

→ 外国人エンジニアのご紹介実績を見る

インドネシア人エンジニアの求人例

では、実際に日本企業はどのような条件・年収でインドネシア人エンジニアを募集しているのでしょうか?

実際の求人データを日本語スキル、実務経験、その他必須条件、歓迎条件、勤務地、想定年収の種別でまとめていきます。

インドネシア人エンジニアを採用する際の参考になれば幸いです。

観点求人情報
日本語スキル外国籍の場合は、日本国内実務経験2年以上、N2資格以上、会話流暢な方を限定
実務経験何かしらのシステム開発の実務経験が半年以上
歓迎/尚可Java、Python、PHP、C# .NET、Android、Objective-C、Swiftのいずれかのスキルをお持ちの方
勤務地東京都 新宿区
想定年収3,600,000円 〜 4,500,000円
観点求人情報
必要な日本語スキルビジネスレベル
必要な実務経験- JavaやGolangを使用した金融取引システムの開発経験 - システム警告およびトラブルシューティングの経験
その他必須条件- 柔軟な言語適応能力(Java、Go、Python、Javascript等) - ユニットテストの実装経験 - コードレビューの経験
歓迎/尚可- システム開発におけるテストユニット実装経験 - コードレビュー経験
勤務地東京都
想定年収5,000,000円 〜 12,000,000円

インドネシア国内でのエンジニア給与相場

インドネシアのエンジニアの平均年収は約120万円(月給8万円~12万円)で、国内平均月給(約26,000円)の約3~4倍に相当します。

さらに企業の需要とマッチしている場合は、若手やミドル世代でも更に高額な収入(月収約35万円~49万円、Rp.50,000,000~70,000,000)を得る可能性もあるようです。

一方で、人材派遣会社REERACOENによると、インドネシアの平均月収は約3万円で、年収に換算すると40万円となります。

このような全体の平均年収を考えると、インドネシアではエンジニアの年収が高く、収入の格差も非常に激しいことが分かります。

インドネシア人エンジニアのスキル・専門領域による年収の差

また、エンジニアの年収はスキルや専門領域によっても左右されます。

以下は、フロントエンドやフルスタックなどのスキル別に平均年収をまとめた表になります。

スキル・専門領域平均年収(日本円)平均年収 (インドネシアルピア)
フロントエンド¥808,320IDR 80,832,026
バックエンド¥854,586IDR 85,458,645
フルスタック¥4,875,801IDR 487,580,110
モバイル(iOS/ Android)¥990,000IDR 99,000,000
データサイエンティスト¥5,099,859IDR 509,985,859

インターネットの上の匿名の統計ではありますが、このようにしてみるとスキル・専門領域による給与の格差はかなり激しいように見られます。

特にフルスタックとデータサイエンティストに関しては、500万円前後とインドネシアの水準からするとかなりの高年収になっていることが分かります。

ただ仮説としては、ハイスキルな人材ほど(インドネシアから見て)外資の企業に採用される確率が高くなり、それが外れ値となって平均年収に大きな影響を及ぼしていることも考えられます。

とはいっても、全体の傾向としてフルスタックやデータサイエンティストのようなハイスキル人材の年収が高くなることは変わらないと考えられますので、目安としては十分に参考になるはずです。

インドネシアのオフショア開発の人月単価

インドネシアのオフショア開発の人月単価は、平均して約24万円です。

これは中国やインドの単価に比べて5万円から10万円程度安いです。

特徴としてはインドネシアのIT技術者は特にSNSやモバイル開発に強く、高い英語力を持っていることがあげられます。

ただ、大型案件にはあまり対応していないため開発時間が長くなることがあります。

インドネシアのITインフラ整備は遅れが見られるものの、モバイル系の開発には実績が豊富です。

そのため、コスト削減を目指す日本企業がインドネシアへのオフショア開発を増やしているという流れがあります。

アジア各国のオフショア人月単価の比較

では、インドネシアのオフショア人月単価は他の国と比較するとどのような水準なのでしょうか?

以下は、アジア各国の主要なオフショア開発先の人月単価をまとめた表になります。

人月単価の相場
インド30万~60万円
ベトナム25万~40万円
中国35万~55万円
タイ27万~37万円
インドネシア24万~32万円
フィリピン21万~30万円

出典:https://www.galk-jp.com/blog/offshore-development-costs/

このようにして見てみると、インドネシアはアジア各国の中では比較的安い部類にあることが分かります。

やはり、物価が安くエンジニアの平均年収も他の国ほど高くないことが理由として考えられるでしょう。

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これまでの人材のご紹介実績、ご紹介可能なIT人材の登録者データベース(国籍、年齢、スキル、年収)についても掲載しております。

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